うつ症状の前兆を見逃してはいけない!!うつ病の症状と段階を紹介

うつ病の前兆って何?って思う人多いよね。

「最近寝つきが悪いし、寝た気がしない」

「人に会うのがめんどくさいし、休みの日に遊びに出かけるのも億劫」

とか。ちょっと疲れてるだけかな?って思うようなことが、うつ病の前兆ってことがある。本当だったら、時間と共にこういう症状はなくなっていくんだけど、悪化するとうつ病を発症しちゃう。

今回は、このうつ病の症状や治療について紹介。うつ病は前兆症状から始まり、段階が進んでいくほど完治させるのに時間がかかる病気。なるべく早期に治療を開始することがポイントだから、ぜひ参考にしてみて。

そもそもうつ病って何?

うつ病ってよく聞くようになったけど、そもそも体の中でどんなことが起こっているか知ってる?ここではうつ病の原因と医学的なメカニズム、診断基準を紹介するね。

うつ病の原因

うつ病の原因って1つに絞ることが難しくって、色んな要因が考えられるんだよね。考えられる要因としては「環境」「慢性疾患の有無」など。本人の気質とかもあるけど、ここではこの2つを紹介するね。

<環境が原因の場合>

例えば、

・家族とか恋人とか大切な人と死別した

・仕事を失った

・詐欺にあって財産を失った

・ガンが見つかった

・人間関係のトラブルがある

とか。ちょっとした環境の変化が、うつ病の原因になることもあるんだよね。

<慢性疾患が原因の場合>

うつ病ガイドライン2016によると、身体疾患のうつ病併発率は、

・心疾患 17~27%

・脳血管疾患 14~19%

・悪性腫瘍 22~29%

・アルツハイマー病 30~50%

・慢性疼痛を伴う身体疾患 30~54%

とのこと。何らかの疾患を抱えている人は、うつ病を併発しやすいってことは覚えておいた方が良さそうだね。

うつ病のメカニズム

うつ病のメカニズムは、残念ながら全て解明されていないんだけど、脳内の神経伝達物質がバランスを崩すことで発症するっていう説がよく言われてる。ここでは、神経伝達物質について紹介するね。

<興奮型と抑制型の神経伝達物質>

神経伝達物質は、神経を「興奮させるもの」と「抑制させるもの」の二種類に大きく分かれているんだよね。走ったり、怒ったりすると心臓がバクバクすることあるでしょ?あれは興奮させる神経伝達物質がバンバン出ているから起こる現象。

反対に、リラックスさせるために出ている神経伝達物質がセロトニンとかなんだよね。セロトニンは別名「幸せホルモン」って言われて、一時ブームになったから知ってる人も多いかも。セロトニンは興奮した神経をリラックスさせるっていう大切な役割があるんだよね。

<うつ症状に関する神経伝達物質の役割>

うつ病に関係する神経伝達物質っていうのはセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン。セロトニンは抑制型でノルアドレナリンとドパミンは興奮型。普段は興奮と抑制のバランスを上手に保っているから神経伝達物質の働きで、イライラしても時間と共に落ち着いていくし、逆に落ち込んでも気持ちが上がっていくようになってるんだよね。

で、このバランスが崩れ始めると、ずーっとイライラしたり、ずーっと落ち込んだりって感じで、うつ症状が出始めるんだよね。

<うつ症状が発症する時は神経伝達物質が枯渇している状態>

うつ症状が出る前ってすごく頑張っている時だから、いろんなことを脳が処理するために神経伝達物質を物凄い勢いで使っているんだよね。そうすると、神経伝達物質が少なくなったり枯渇したりして、今まで通りに興奮と抑制のバランスが取れなくなってうつ病になるって言われている。

うつ病はどのような基準で診断されるのか

うつ病の診断は、

・チェックシートの質問にどれだけ当てはまるか

・医師の問診

で、うつ症状の重症度を測っているんだよね。高血圧や糖尿病とか一般的な病気は、検査データの基準値があるから具体的かつ客観的に診断できるのに対して、うつ病はちょっと違う。うつ病の診断は、本人の訴えと診察した医師の判断に委ねられるっていう特殊な疾患ってことは知っておいた方がいいね。

ここでは、うつ病の診断に欠かせないチェックシートの例を紹介するね。厚生労働省が示す項目だから多くの病院で採用されているんじゃないかな。

【厚生労働省が示す1次スクリーニングテスト】

1、毎日の生活が充実していますか

2、これまで楽しんでやれていたことが、いまも楽しんでできていますか

3、以前は楽にできていたことが、いまでは億劫に感じられますか

4、自分は役に立つ人間だと考えることができますか

5、わけもなく疲れたような感じがしますか

6、死について何度も考えることがありますか

7、気分がひどく落ち込んで、自殺について考えることがありますか

8、最近ひどく困ったことやツライと思ったことはありますか

病院を受診すると、この他に医師から症状に関してだけでなく、既往歴、家族歴、身の回りの変化など、一見うつ症状とは関係ないようなことも、確認されるかもしれない。「なんで?」って思うかもしれないけど、うつ病はいろんな要因が重なって発症していることが多くて、総合的に見ないと診断するのは難しいから聞かれるんだよね。

だから、本当は眠れているけど眠れてないって言ったり、薬を飲んでいるけど飲んでないって言ったりすると、正しい診断がつけられず、処方される薬とか生活習慣の改善方法とか、治療が見当違いになるかも。病院を受診する時は、その点も理解しておこう。

うつ病は段階を経てゆっくりと治る病気

うつ病は、風邪みたいに薬飲んだら治るっていうわけではなく、段階を経てゆっくり治る病気。この状態から早く抜け出したいって気持ちは理解できるけど、焦らず気長に「そのうち治る」っていう気持ちで治療に臨むことが大切なんだよね。

うつ病は、急性期→寛解期→回復期といった段階を通って治っていく。それぞれどのくらいの期間で次の段階に移っていくかは、個人差が大きいから一概には言えないけど、順調に治療が進めばおおむね半年~1年くらいで回復期まで行くって言われている。

寛解期や回復期では特に、良くなったり悪くなったりを繰り返すことがあるから「治療を続ける意味ある?もう治らないんじゃないかな」って不安になるかもしれない。でも、再燃・再発を繰り返しながら良くなる病気だから、それは良い方向に進んでいる証拠でもあるんだよね。

だから、治ったと思っても薬を止めないで、医師の指示通りに服用して完治を目指すようにしよう。

ちなみに精神科専門医は、寛解・回復、再発・再燃という言葉を、段階によって使い分けているようで、

・徐々に良くなっている状態を「寛解」

・寛解が一定期間以上持続した場合を「回復」

・徐々に良くなっている過程(寛解期)で、うつ症状が出たら「再燃」

・完全に治っていた(回復期)けど、うつ症状が出たら「再発」

って解釈しているから、医師に診てもらう時にこの言葉を使う場合は、注意しないといけないね。間違った解釈されて、効果の低い治療になってしまう可能性もあるから、できる限り使わない方がいいのかもしれない。

うつ病の特徴的な前兆症状は?

ここでは、うつ病の特徴的な症状を紹介するから、自分がどれくらい当てはまるか試してみて。

・何をやっても楽しめない

・時間があっても趣味をする気持ちになれない

・考えることが億劫

・イライラすることが増えた

・朝、布団からなかなか出られない

・夜ぐっすり眠れない。寝つきが悪い

・夜何度も起きる。朝やたら早く目が覚める

・食欲がなく、食べ物の味がわからない

・疲れやすい

・急に涙が流れる

・息が詰まって胸が苦しくなることがある

・頭が痛い、重い

など。他にもあるけど、つまりは

1、今まで楽しかったことが楽しめない。

2、イイことがあっても落ち込んだ気持ちが晴れない。喜べない。

3、夜眠れない。眠れてもすぐ目が覚める

こんな症状が2週間以上継続すること。1度も回復しないと、うつ病である可能性があるんだよね。例えば、仕事に失敗したとかで気分が落ちることって、誰にでもあることだと思うんだけど、友達に愚痴ったり、テレビ見て大笑いしたり、寝たりすることで普通は気持ちがリセットされると思う。

だから、2週間以上1度も気持ちが晴れることがないっていうのは、少し病的かも?ってことだよね。

うつ病になりやすい人の特徴

うつ病になりやすい人の特徴的な性格は、

・真面目

・正義感が強い

・仕事熱心で自分にも他人にも厳しい

・完璧主義者

・几帳面

・凝り性

・相手の顔色ばかり見ている

ていう人が多いんじゃないかな。こういう性格の人はそうでない人に比べると、脳のエネルギーを消費しやすいこともあって疲れやすくなる。仕事とか結果が出ているうちは問題ないかもしれないけど、失敗やトラブルが起こると更にエネルギーを使うことになって、脳のエネルギー不足からうつ病へとなる可能性が高くなるんだよね。

うつ病の治療ってどんなものがある?

まずは、前にも説明したけど、うつ病の治療って症状によっては結構時間がかかるってことを忘れないでほしい。風邪みたいに「薬飲んだら2,3日で治る」ってものじゃないんだよね。長いと半年とか1年とか、それ以上かかるかもしれない。

でも、ずっと悪い状態が続くわけじゃなくて、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら徐々に回復していく感じ。だから治療を始めたらすぐ治ると思わずに、気長に構えてほしい。

で、本題だけど、うつ病の治療は薬だけじゃなくて、休養をとること、カウンセリングも結構大切。だから、ここでは、休養、薬物治療、カウンセリングについて紹介するね。

まずは休養をとる

今まで休むことなく脳を使ってきて、うつ症状が出てきちゃったわけだから、やっぱり休養することは大切。脳を休ませることで、正常に働くようになっていくから、家族に悪いなとか思わず休むことが回復の近道。

注意してほしいことは、休職して自宅で休んだとしても、

・家事や育児に追われる

・自営業をしているため人の出入り多い

・家族の理解がない

っていう状況だと、十分な休養は取れないよね。その場合は、思い切って入院する方が良いかも。静かな環境で、規則正しい食事や睡眠を意識することは、回復につながるし薬の効果も出やすい。

休養をとるときは、環境や周りの理解も大切ってことは忘れないで。

薬を使って治療する

前述したとおり、うつ症状の原因は脳内の神経伝達物質であると考えられているから、薬物治療ももちろん、セロトニンとかノルアドレナリンに作用する薬が使われることも多いんだよね。

・SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)

・SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)

・NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤)

・三環系抗うつ薬

・四環系抗うつ薬

とか。症状に合わせて、いろんな組み合わせで処方してくれる。効果が出るまでに2~3週間かかることもあるから、最初は「全然効かないんだけど」って思うかもしれないけど、そういうものだと思って服用を続けよう。うつ病の治療のポイントは気長に構えることだからね。

くれぐれも、うつ症状が良くなってきたからって薬を途中で飲むのを止めたり、効かないからって多く飲んだりすることのないように。用法用量はしっかり守ってね。

カウンセリングを受ける

うつ病で病院を受診すると、必ずカウンセリングを受けるというわけではないんだよね。カウンセリングは過去の嫌な思い出や自分と向き合ったり、これからどうすればいいのか考えたりすることになるから、そういう負荷に耐えられる状態になっている必要があるってこと。

それを判断するのは医師なんだけど、医師からカウンセリングを受けるように言われても断ることができる。だから、カウンセリングを受けるかは精神状態と自分の意思によって変わってくるんだよね。

じゃぁ、実際カウンセリングを受けると、どんな効果が期待できるか?ってことをここでは紹介するね。

<カウンセリングの効果>

①カウンセラーに話すことで自分を客観的に見ることができるようになる

②自分を客観視することで、

・自分が何にストレスを感じ、

・次はどう対処することでストレスをためずに済むのか

をカウンセラーと一緒に考えることができる。

といった点が、カウンセリングを受けると得られる大きな効果なんだよね。この効果を最大限発揮させるためにも、まずはカウンセラーと信頼関係を築いてなんでも話せるようになることが大事。話していくうちに

・自分はこういう時、こう感じるのか。

・でも、こういう風に考えるとストレスはあんまり感じないな

とか、気づきだすんだよね。薬物治療とか休養と並行してカウンセリングを受けることでうつ病になった原因や再発しにくくなるような考え方を知ることができる。 身につかなくても知っていることはすごく大事。社会復帰した後も、うつ症状の前兆に気づいて悪化する前に対処できるようになるから、カウンセリングは受ける価値があると思うよ。

うつ病って治るの?

厚生労働省の心の耳では「うつ病にかかった人の8割は発症前の状態に戻っている」としているものの、その「再発率は約60%」あり再発するほど再発率は上がっていく傾向にあるって言ってる。だから、うつ病は治るのか?っていう答えは、治る病気ではあるけど、再発するかもしれない病気でもあるってことだね。

再発しないためにできることは、やっぱりうつ病になった原因を知ることに限るのかもしれないね。今すぐに原因を突き止めないといけないわけじゃないから慌てずに。自分に向き合って考えられる段階になってからで充分、間に合うと思う。

うつ病の症状が出たら段階に合わせて早めに治療開始を

うつ病の初期症状は「なんだか疲れがとれないなぁ。最近忙しいからなぁ。」って感じの誰にでもある症状かもしれない。この段階ではあんまり深刻に考える人は少ないよね。でも、

・いつもイライラする。

・夜眠れない。

・異常に朝早く目が覚める。

っていうちょっと変かも?っていう症状がだんだん出てきたら要注意。特にうつ病で重要視されていることは睡眠障害だから、「眠れない。寝た気がしない。すぐ目が覚める」っていうことが2週間以上続くようなら早めに病院へ受診することをオススメするよ。

脳を休ませるために睡眠ってすごく大事で、不眠が続くとうつ病が悪化したり、不眠が原因でうつ病が発症することもあるみたい。

睡眠は人間の三大欲求の1つに入るくらい大切な要素だから、眠れないくらいで病院なんていけないと思わずに、受診したほうがいいと思う。睡眠剤で、うつ病にならずに済むなら、その方がいいに決まってるからね。

「もしかして、自分うつ病かも」って思ったら、迷わず受診することが吉。間違いだったら、「あー勘違いでよかった」で終わり。迷っている間にどんどん悪化して会社を休職するハメに…ってこと比べたら、大したことじゃない。これって前兆症状化も?って思ったら余計なことは考えず病院を受診してほしい。