新卒1年目で転職は早い。最低でも3年は働いた方がいい。令和の時代になっても語り継がれる、転職の神話。誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
でも、ちょっと考えてみて欲しい。転職のタイミングやきっかけは各人で異なるはず。最低でも3年は働かないと!なんて言う人は本当に根拠があって言っているのだろうか。
29歳で転職し、職場の人間関係に悩んできたぼく。ぼくも上司に3年は働けと言われて、結局6年もいた。結果としてよかったこともある。でも3年って根拠はないと思う。自分の言葉で面接官に語れればいいと、採用側の立場になった今も思うこと。そして思い立ったときが転職における、自分のベストタイミングなんじゃないかと今は思います。
新卒で入社して6年。今の会社で働いて7年。今では新卒採用や中途採用にも携わっているぼくが見てきた、転職のきっかけやタイミング。自身の決断方法をもとにあなたのベストなタイミングはいつなのか?事例を見ながら、あなたの心に問いかけてみてください。
転職を考えたらまず初めに行うこと
転職しようかな?と思ったら、まず真っ先に始めることは自己分析と情報収集。上司や同僚に転職の話をするのは、まだ時期尚早。上司や同僚に転職の話をするのは、転職を決断してからがベストなタイミングです。
転職活動は社員として働きながら、行うのがベスト。勢いで退職してしまってから転職活動を行うと、転職先が見つかるまでの生活で不安を感じます。転職活動は就業中に始めましょう。
ツールを使って自己分析!自分の棚卸しをする
転職を考えたらまず初めに行うことは、自己分析。自分にはどんなスキルがあって、どんなことができるのか。どんな業界や仕事に興味があるのか。
一般的な自己分析はスキルの棚卸しと自己の掘り下げを指しますが、特に何もないと言う人もいるのではないでしょうか。明確にやりたいと思うことがない。これは恥ずかしいことでも、おかしなことでもありません。それを知ることも自己分析なのです。
視点を少し変えて、どんなことを楽しいと感じるのか、どんなことに嬉しいと感じるのか。自分の感情を探してみるといいと思います。
自己分析ツールはたくさんありますが、自分の強みを正確に把握できる、ミイダスがおすすめです。
似たようなツールとしてストレングスファインダーがありますが、ミイダスは無料で自分の強みを把握することができます。
ぼくは、これといってやりたい仕事はありません。しかし、合理主義者で無駄なことをなくす、複雑な仕事を簡潔にする方法を探す、問題解決をすることが好きです。
この好きをいかせる仕事として、今やっているマネージャー業務は向いていると思います。
自己分析は向いている仕事を探すものではなく、自分が就いたらよりハッピーになる方向性を探すことではないでしょうか。まずは自分と向き合うことが大切なんですね。
転職サイトに登録して情報収集
転職サイトは無料で登録ができるので、転職サイトも早いうちから登録しておきましょう。ぼくは転職を考える前から登録して、どんな会社があるのか見ていました。
サイトによっては、担当者から連絡がくることがありますが……正直に転職を考えているから登録した旨を伝え、ある程度の気持ちが固まったら相談したい旨を伝えればOKです。
転職を考えるきっかけとタイミング
マイナスな気持ちからの転職はよくない。転職を意識すると必ず聞く言葉。これって建前じゃないか?と思うんです。もちろん、前向きな転職はベスト。でも、結婚で事情が変わる、親の介護などでもない限り、誰しも今の会社に何かしらの不満がある。だから転職を考える。
誰もが何かしらの不満がきっかけとなって、転職を考えるのではないでしょうか。
自分が抱いた違和感を放置しておくと、のちのちうつ病など大きな問題に発展してしまいます。不満をきっかけに転職を考えることは何も悪いことではないのです。
待遇面の不満
年功序列と終身雇用が約束された時代は終わったといわれています。あなたも昇給があったといっても、数千円程度ではないでしょうか。でも、これはどの業界でも同じことが言えると思います。会社のシステムというよりは、日本のシステムの問題だからです。
待遇面の不満をきっかけに転職を考える人は多いと思いますが、なぜ昇給が少ないのか?本質的な理解をしていないと、同じ不満を繰り返してしまうので注意が必要です。
そのうえで待遇は業界によって大きく違います。自分が望む業界の賃金ベースがどのくらいで、望む職種ではどのくらいなのか?を把握するといいでしょう。
職場の人間関係
職場の人間関係は、いわゆるガチャですよね。親ガチャという言葉が流行りましたが、職場の人間関係も自分では選べません。そして、他人は他人では変えられないのです。
人間関係の悪い職場に当たってしまったら、それだけで転職のタイミングと言えます。
労働環境に不満がある
職場の人間関係以外にも、労働環境に不満がある場合もありますよね。労働環境も自分で変えることはできません。
今の労働環境が自分に適していないなら、自分の環境を変えるのがベストです。他部署への移動など、同じ会社内でも部署異動で不満が改善できるのであれば、転職を考える前にまずは部署異動を検討してもいいかもしれませんね。
事業方針の転換
会社の使命は事業を継続させること。昔からの同じやり方で未来永劫続く…そんなことはあり得ませんよね。
長く会社にいると事業方針の転換をみる機会に出会うこともあります。事業方針が変わったときに、その体制を受け入れることができるか。自分の中で納得できるかが重要です。
やりたいことが見つかった
仕事を通して学んでいく中で、やりたいことが見つかるかもしれません。
自分は実はこんなことがしたかったんだ。こんなことに喜びを感じるんだ。これらの気付きは経験の中からうまれることですよね。
やりたいことが見つかって、自社では実現ができないなら、それはまさに適切な転職のタイミングです。
今の職場に残るか転職するか……転職のきっかけと決断方法
転職のきっかけをみてみると、事柄そのものはネガティブな動機かもしれません。でも、あなたがどうこうできる問題ではないと思いませんか?
多くの人が不満をきっかけに転職をするものです。満足感が高ければ転職しようなんて、思わないわけですから。でも面接の場では、本音を話すことを控える。日本社会の本音と建前の文化の表れですよね。
さて、転職のきっかけを知ったうえで決断方法はどうするのがベストでしょうか?転職をした方がいいのか、今の職場に残るべきなのか……ケース別に考えてみましょう。
転職をすぐに決断すべきケース
ぼくは人間関係の悪い職場に6年いました。これ以上に最悪の職場はない、どんなに最悪な職場にいっても大丈夫だ。と、ポジティブに捉えれば辛いの閾値があがる経験は得られました。
でも、最後の方は出勤時に涙が出る毎日。食欲もないし体の倦怠感もある。病院に行っていたら、うつ病と診断されていたかもしれません。
自分の経験から学んだことは、人間関係の悪い職場に遭遇したら、すぐ逃げることです。人間関係の悪い職場は得られることより失うことの方が多いのです。
逃げることにネガティブな印象を抱く人もいると思います。でも、人間関係の悪い職場から逃げることは正しい判断。むしろ正しい判断ができるうちに逃げるのが正解です。
我慢を続けると洗脳のような状態に陥って、最後は自分が壊れてしまうんですよね。人間関係の悪い職場に慣れてしまうことは、洗脳に近いように思います。
職場の人間関係が悪ければ、それはまさに転職のきっかけ。正常な判断ができるうちに転職を決断するタイミングです。
転職を決断するタイミングが人それぞれのケース
待遇面や労働環境、事業方針の転換に不満があるケース。自分の意思で変えられることではないので、満足感より不満感が高いときに転職のタイミングと判断するといいのではないでしょうか。
このとき自分で客観的にみてどうか?が大切です。たとえばブラック企業。人からみたらブラックでも、自分からしたらブラックではないということがあります。
今の僕の働き方はほぼ週6勤務。労基うんぬんは置いておいて、他人からみたらブラックです。
でも自分が望んでしている働き方なので、僕はブラックとは思いません。会社の不満は自分の意思がどの程度反映されるかが大切。
どんな職場にいっても100%満足を得られることはないでしょう。こんなとこは不満だけど、こんなとこがあるからいい。
人それぞれですよね。僕の場合は自由度にプライオリティーがおかれるので、少し不満があっても自由度が高い限りは転職したいとはなりません。
前職の化粧品会社では、自由度も低いうえに職場の人間関係も悪かった。それゆえ、転職を決断しました。
会社の仕事が好きでも、職場環境が悪いなら迷わず転職。会社の仕事が好きで、労働環境が悪いなら立ち止まって自己分析。
あなたの優先順位や軸となるものが何か?それをハッキリさせてから転職するか、今の会社に留まるか判断するといいと思います。
常に白黒ハッキリと決断できるわけではないですよね。グレーゾーンの中で自分がより近いのは転職か留まるか。回答を探すよりも最適解を見つける考え方をするのがおすすめです。
転職すべきタイミングか見極めが必要なケース
やりきったことがないあなたは、自分の置かれた環境とこだわりを天秤にかけるといいでしょう。第2新卒のタイミングでない限り、どんな仕事をしてどんな工夫や成果をあげてきたか?は必ず聞かれます。
自分の言葉で語れる仕事内容があるのか。仕事を語るにはどれだけ能動的に仕事に取り組めるかが大切です。ぼくが転職に踏み切れたのも、ひと通り部署の仕事をやりきったと思えたからだと思います。
人間関係の悪い部署で洗脳状態になり。誰がみても転職すべき状況だったのに6年もいた。今では職場環境が悪ければ、すぐに転職すべきと思います。しかし、当時は新卒で初めて入った会社。
こんな劣悪な環境でぼくが一歩踏み出せなかったのは、やりきった感がないのに転職したくなかったんです。そもそも振り返ったときに何もやったことが見当たらなかった。ここは人それぞれのこだわりですが、仕事で語れるものを作って辞めたいと、ぼくは思いました。
職場環境も悪いし6年のうち3年は社内ニートのような状況だったので、日中はネットサーフィン、定時ダッシュで帰宅の毎日。こんな状況でスキルなど身につくわけがありません。ここでぼくは仕事を自分ごととして捉える意識を持ちました。
仕事に対して能動的になったんですね。すべての仕事や雑務を自分ごとと捉えて行動を変えました。すると、少しずつ仕事ができるようになりました。ぼくは開発職だったので、企画立案から試験計画の作成、試験の実施からデータ集計、報告書の作成、関連部署へのプレゼン。
製品が市場に出るまでの流れを能動的に行い身につけました。細かいことはわからなくても、能動的に自分なりにやりきることで語れるものができるようになります。
転職を決断してからではない。転職を考えたら始める自己分析と情報収集
自己分析は、自分の軸がどこにあるかを見極めるためにも大切なことです。何を楽しいと感じ、どんなことに喜びを感じるのか。
逆にどんなことはしたくない、嫌だと感じるのか。自分を客観的に問うことで、自分の感情を自分で把握します。注意点は、自分探しをしないこと。
ぼくもかつて陥ってしまったことですが、自分は探しても見つかりません。雑誌のインタビューで、小栗旬さんはこう言ってました。
「自分は探しても見つからない。創るものだ。」
まさに真理で、自分は探しても見つかるものではありません。この前提条件を頭の隅においておかないと、ドツボにはまってしまいます。自己分析はあくまでも自分の強みや感情を客観的に把握するために行うもの。
自己分析と同時並行で転職サイトにも登録して、転職をいつでも決断できるように情報収集をしておきましょう。