僕は新卒では化粧品会社の開発職として働いていたけど、いろいろあって今はとある薬局に勤務している。この記事では、新卒で化粧品会社勤務していたときに悩んだことについて、皆に共有しようと思う。「女社会の職場で働いている人の悩み」「新卒3年未満でやめようとしている人」にとって少しでも有益な内容になればいいな。
結論から書くと、自分の場合は新卒1年目での転職活動は断念したけど、新卒3年目には無事、薬局へ転職することができたから、いまでは薬剤師としてキャリアを積めて本当に良かったと思ってるんだ。
今になって思い返すと、化粧品会社で働いていた時は女社会のドロドロさにほとほと嫌気がさして辛かった。毎日会社に行こうとすると自然と涙が出ていたほどなんだよね。
転職する勇気がでなかった!化粧品会社で働いていた過去の自分
自分で言うのもなんだが、大学を卒業するまでは比較的人生がうまくいっていた方。高校・大学時代は勉強に精を出し、薬科大学でもストレートで卒業できたしね。
勉強を頑張っていたと書いたけど、実は合コンにもよく誘われる方で、わりと積極的に参加して彼女もできたんだ。もちろん彼女ができてからは合コンには参加してないんだけど、付き合いたての頃は僕に言い寄ってくる女性が多いから、僕が浮気しないかと心配していたらしい。今はその彼女と同棲しているんだよね。
そんな順風満帆の人生を送っていた僕も、初めて自分の力だけではどうにもならない困難にぶつかったんだ。新卒として入社した化粧品会社で、人間関係に悩むとは思いもしなかったよ。
同僚を信用する勇気が無くなり転職を考えた
化粧品会社の開発部は女性の多い職場なんだけど、自分の配属された場所はなんと薬剤師も含めて全員女性だったんだ。
全員女性の環境で働けるなんてハーレムじゃん!!うらやましい!!と思う人がいるかもしれないけど「女性ばかりの環境で男は自分ひとり」なんて状況は決して良いものではないんだよね。なんというか、職場では常に気を使ってばかりだし、気を許せる相手がいなくかったからとても辛かったんだ。
とくに困った事は、職場の同僚との距離感。いっそのこと全員女性だったら気兼ねせずに話せるような内容も、自分がいるせいで気を使われているのを感じるし。自分はそこそこ女性との付き合いにも慣れていたつもりだったけど甘かったな。男性と女性がある程度同じ人数の環境と女性ばかりの環境では、付き合い方が全く変わることを知ったんだよね。
陰口・悪口の多い職場!女性社員が怖くなった
特に困ったのが陰口と悪口。入社したばかりの頃は年配女性社員に可愛がられていたおかげで、そこそこ会社も楽しかった。信頼できる先輩もいるし、良い会社に入社できたと安心していたんだけどね。
やっぱり女性の職場。その年配女性社員も影ではけっこう悪口を言っているみたいなことをうわさで聞いたんだ。最初はなにかの間違いかと思ったけど、入社して半年もするとその年配女性社員は僕に対しても陰口を共有するようになってきたんだよね。
最初は相手に話を合わせていたけど、次第に自分も陰口に参加していることが知れ渡っちゃって、僕の陰口も(直接耳には入ってこないが)言われるようになったんだ。
本音を言えば陰口なんて言いたくないが、女性の多い職場で働くうえで仕方のないことと割り切って周りに合わせていたんだけど、今思えばそれは間違いだったかもな。
そんなこともあって、どうしても会話の輪の中に入りきれず、次第に僕は職場の人と浅いコミュニケーションしか取れなくなっていたんだよね。
転職したいけど怖かった入社1年目
新卒1年目の10月にして、自分はすでに転職を考え始めていたんだ。はじめは3年働いて転職しようと思っていたけど、次第に1年後でいいか、やっぱり半年後にしよう、と転職したい気持ちが強くなってきて、とうとう入社半年という速さで転職サイトに登録。
転職サイトに登録するだけなら周りにバレるリスクなんてほぼゼロだし、とりあえず登録するだけ、というノリで複数の転職サイトに履歴書と職務経歴書を登録してみたんだ。
入社半年の自分にキャリアなんてあるはずもなく、自己PRや職務経歴の記入が大変だったし、こんな経歴の人間に、応募できる求人はないと思いこんでいたんだよね。
入社1年目でも転職のオファーは多い
ところが僕の予想に反して、登録して1週間ぐらいすると多くの会社からオファーが来ていたんだ。
自分なりに分析すると、おそらく薬剤師の需要は一般転職者と比べて高く、たとえ1年未満で転職しようとしている人に対してでも積極的にオファーメールを送っているみたい。中には当時働いていた会社より魅力的なオファーメールもあり、「もしかしたら今転職したほうが良いんじゃないか?いつまで今の景気が続いているかわからないし、転職は早くしたほうが良いし」などと考えるようになってたんだ。
入社1年目の転職はキツい!友人からの忠告が怖すぎた
そんなある日、高校時代に仲が良かった友人と久しぶりに食事をすることに。彼は一般企業に就職したようで、毎日忙しそうに働いててね。そんな中でも定期的に連絡を取り合っているから、自分にとっては心を許せる数少ない友人のひとり。
居酒屋でのんびり会社の愚痴など近況を語り合っていたところ、友人の表情が一瞬思いつめた感じになったかと思うと、少し暗い顔をした友人が意を決したように自分へ悩みを相談しだした。
「実は今の会社をやめようと思っている。だから転職活動をこっそりとしてたんだけど、この前応募した会社の面接官からめちゃくちゃ説教されてさ。なんだか最近は何に対してもどうでもいいやって感じだったけど、お前と久しぶりに喋れて少し元気出たわ。ありがとな。」
転職したいけど応募する勇気がでなかった
求人に応募していないという違いこそあるが、あまりに今の自分と似たような状況で衝撃を受けた。その後はどんなことを喋ったかよく覚えていないが、自分の悩みも相談にのってもらったような気がする。
友人は自分の転職活動におおむね肯定的だったが、あまり期待しないこと、応募しまくると休日がなくなってしんどくなるから注意するようアドバイスしてくれた。
最後に、面接で説教されるなんてことあるのかと質問してみたが、これは友人も「会社によると思う」という返事しか返ってこなかった。
薬剤師というわりと強力な資格を取得しており、就活でもそれほど苦労しなかった自分からすると、面接で説教される可能性があるなんて驚きを通り越して恐怖感を感じたよね。
たしかに圧迫面接という言葉があるのは知っていたけど、まさか自分が食らう可能性があるとは考えてもいなかったからね。友人の話を聞いて、入社1年未満で転職を考えている自分も圧迫面接に遭遇することがあると知ってから、転職活動に対する熱が急激に冷めていったよね。
あんなに魅力的に思えていたオファーメールも、馬鹿な若手社会人をサンドバックにしてストレス解消したい悪徳会社が送ってきているように思えて仕方ない。自分は、転職したいと思いつつ求人への応募に恐怖を感じるようになってしまったんだ。
転職する勇気がなかった僕が一歩踏み出してみた
なんだかんだで年の終わりも近づき、自分は結局求人応募まで踏み切れずに年の瀬を迎えることに。職場への不満は相変わらずだけど、かといって圧迫面接リスクを負ってまで求人に応募したくないなと考えていたんだ。
新年を迎えるため、実家に帰省しようと電車に乗っていた時に偶然目に飛び込んできたのが転職エージェントの広告。転職サイトでもよくサービス利用を勧められていたけど、なんとなく自分には早いと思って使っていなかったんだ。でも、年の瀬という特別な雰囲気も手伝ってか、そのときは妙に転職エージェントに対する興味が湧いてきたんだよね。
転職エージェントは悩みの相談にも対応している
さっそくスマホで調べてみると、どうやら求職者と人材を採用したい企業の間に代理店(エージェント)が入り、双方のマッチングを図るサービスらしい。お金は転職成功時に募集企業が支払うから、求職者がサービス利用料を払わなくていいみたいだね。
口コミをチェックしてみると、初回相談では求職者の悩みや相談にも対応してくれるみたいで、その結果もし転職しないという結論になっても問題ないんだってね。
いままでは転職エージェントに胡散臭さを感じていたけど、しっかり調べてみると良いサービスだと分かってさ。さっそくサービスへの申し込みをすませ、年明けに転職エージェントとの初回面談を設定したんだ。
転職する勇気を出すため、転職エージェントへ相談に行った
転職エージェントとの面談は電話もしくは対面でのやることになっていたから、自分はせっかくの機会だと思い対面での面談を希望。
面談当日は転職エージェントの支店に行くと、カウンセリングルームに通された。普段の仕事でクライアントと接する機会がないから、久しぶりの慣れない環境で緊張したな。
紹介された転職エージェントは女性の方で、最初に転職エージェントのサービス紹介と現在の状況確認、カウンセリング、求人紹介という流れだった。
転職動機について聞かれた時、女性のエージェントだったこともあって「女性の多い職場の人間関係に苦しんでいる」と言うときは気恥ずかしかったけど、笑顔で聞いてくれたおかげで少し心が軽くなったんだよね。
転職しない勇気も大切だと諭された初回面談
「女性の多い職場独特の複雑な人間関係に悩んでいるから転職を考えてるけど、
・社会人経験が浅いこと
・圧迫面接リスク
がネックで、実際の応募には踏み切れていないんです。」
って感じの悩みをエージェントに相談したら「まだ転職しないほうが良いかもしれませんね」とアドバイスしてくれたんだよね。転職エージェントという仕事柄、最終的には転職を勧められるかと思ったけど、そうじゃなくって驚いたよ。
「実際に社会人1年目でも転職に成功する人はいらっしゃいます。しかし年次に関わらず、安易に転職した結果『こんなはずじゃなかった』と転職を後悔する人も少なくないです。ごろうさんの場合はまだ在職中ですし、薬剤師という強い資格もあるので、余程のことがない限り、転職先に困ることはないと思いますよ。なので、心の底から転職する決意が固まらないうちは焦って転職しなくてもいいと思います。」
なるほど、たしかに薬剤師の資格を活かせば再就職先を見つけるのも難しくないかもしれないな。でも転職する勇気が持てない自分に対して、ある種の不甲斐なさも感じているのも事実。そのことも思い切って相談してみたんだ。
転職する勇気が出ないなら決断ポイントを見つけろとアドバイスされた
「転職しない勇気も大切ですが、やっぱり無理は良くないですからね。ごろうさんが心身ともに限界であれば、転職する勇気を出す必要がありますよ。もし転職する勇気を出したいなら、今の職場で達成したい小さな目標を設定することがおすすめです。毎朝職場の人と顔を合わせたら必ずあいさつするとか、資料に自分なりの工夫を入れてみるとか。目標はどんな小さなことでも構わないので、それが達成できたら転職する、って決めちゃえば踏ん切りをつけやすいですよ」
なるほど。たしかに自分がいままで求人応募に消極的だったのは、いまの職場でやり残したことがあるかも…って気持ちからかもしれない。
普通の人は「3年経過したら会社を退職する」「アピールできる営業成績を残す」といった目標を立てて、転職・退職する決断ポイントを明確にしているらしいし。
まずは、職場の人とのあいさつに力を入れて、自分なりに人間関係を改善できるよう努力しよう。どうにもならなかったら求人に応募すると決めることができた。
2年目の転職活動、応募する勇気が自然と出てきた
いままでは学生感覚が残っていて「あいさつをしっかりするのは気恥ずかしい」と感じていたけど、今はあいさつの重要性を理解しているつもり。入社一年目も終わりに近づいてきた頃、あいさつを積極的にするようになってから、自分の心境や身の回りが変わってきたことに気が付いたんだよね。 転職エージェントの方から受けたアドバイスを自分なりに昇華するため、毎日しっかり職場の人にあいさつするよう心がけたら、不思議と以前ほど職場の居心地は悪くなくなったんだ。
怖かった女性同僚と向き合う勇気が出てきた
相変わらず年配女性社員さんは、自分に優しく接しつつも陰口の同意を求めてくるし、同僚社員の陰口・悪口も変わらない。でも不思議と、以前よりそういった彼女たちの悪い部分が気にならなくなったんだよね。
自分なりにその理由を分析したけど、おそらく毎朝笑顔であいさつを心がけた結果、(少なくとも僕の前では)彼女たちも僕に笑顔であいさつを返してくれることが多くなったからかもしれない。だから陰口や悪口があろうと、彼女たちの笑顔を自分は知っているから、以前ほど気持ちを病むことがなくなったんだと思うんだよね。
結果論だが、転職エージェントのアドバイスに従って良かったと思う。
転職活動を一歩踏み出す勇気が出なくても時間が解決してくれる
今思えば、入社一年目の自分はすこし転職を焦りすぎていたかもしれないな。確かに人間関係がキツくて早く会社を辞めたかったけど、もう少し余裕を持って、視野を広げてのんびり考えても良かったと思う。
たぶんほとんどの新卒は、多かれ少なかれ会社を辞めたい気持ちが強くなるときがあるんだよね。でもそこで焦って転職してしまわずに、冷静にまわりの人と向き合ってみるのも大切な時間。
どうしようもない人たちばかりなら、そういう人だと割り切って、その中でそこそこうまくできれば良い。ストレス発散の方法なんて、社会人の経済力を活かせばいくらでも思いつくんだから。
転職する勇気を出すには1年くらい必要だと思う
一年ぐらい職場の様子を見ると、いろいろな職場の事情が見えてくる。たぶんそれは、入社したてで余裕のない人には気付けないものじゃないかな。
もしこの話を読んでくれてるあなたも、以前の自分と同じような悩みを抱えているなら、まずは一年ぐらい様子を見るほうが良いかもしれない。よっぽど酷い会社でない限り、職場の見極めなんてそれぐらいの時間がかかると思うよ。
一年ぐらい様子を見て、それでも転職したいと思うなら転職すれば良い。実際、自分も入社3年目にしてやっぱり薬局業界で働きたいと思い転職を決めたからさ。
転職する勇気が出ないなら転職しない決断も大切
自分の昔話を長々と書いてしまったが、この記事で伝えたいことは「転職する勇気が出ない時は、焦って転職するべきじゃない」ってこと。
たぶん転職する勇気が出ないのはまだ現職でやり残したことがあって、それが心残りで転職への踏ん切りがつかないのかもしれない。
転職する勇気が出ない時は、まずは僕みたいに仕事で何かしらの目標を決めると良いんじゃないかと思う。
薬剤師でも、それ以外の職種でも、仕事に正面から向き合える人間が再就職できないわけがない。
あくまで自分の意見だけ語ってきたけど、参考になったかな。最後まで読んでくれたあなたの役に立ってくれたら、これ以上嬉しいことはないよ。
いまは職場で辛い思いをしているかもしれないけど、最後まで諦めずに頑張ってほしいな。